高齢化社会に考える 人間の尊厳を考える終末期の介護と看病

   2017/02/02


終末期を考える年でした。

今年は、大好きな母が旅立ちました。

私たち「母の子供たち」は、愛する母、尊敬する母の最期がどうあったらいいのか、
87年もの間、情熱的に生きぬいてきた人間の尊厳も考えて、
それこそ、必死に選択してきました。

 

兄が「デイサービス」他、「介護施設紹介」の仕事をしていたので、非常に助かりました。
これは、多くの皆さんが抱える問題、また、日本の抱える大きい問題かと実感しましたので、
兄のまとめたものをシェアします。

「生ききる」のか「生かされる」のか?兄の記

最初に

3月18日、母が遠くへ旅立ちました。享年87歳。
我々家族は最後の選択として、母の「終末期の生かされる人生」
は選びませんでした。長文になるかもしれませんが、良かったらお付き合い下さい。

尚、私は不動産業以外に「デイサービス運営」と「老人ホーム紹介業」を生業としていますが、
この場は個人としての立ち位置で見解を述べさせて頂きます。

病状の経緯

2月3日、右足大腿部付け根骨折手術。術後の経過は良好だったが、嚥下障害(食べ物が良く飲み込めない)となる。

いわゆる、骨折のショックによる廃用症候群らしい。

ほどなく液体摂取禁止、ゼリー食に代わるもほとんど食べられなくなり、10ー20%の摂取率の段階で、10日頃より24時間栄養源を点滴に依存。

病院からは「嚥下機能強化の訓練は毎日行っている」との説明あり。

17日、担当医師より「嚥下機能回復の兆しはなく、そろそろ経鼻管栄養(鼻からチューブで栄養を流す)を考える時期です。機能訓練は継続してゆきますが。」と言われる。

若い人と違い、終末期の経鼻管栄養はその後、胃ろうに替わる事が多く、状態が安定すれば人によっては数年間生きる事も可能です。

このような中、我々家族は「口から物が食べられなくなる時が母の人生の終了!!」との考え方を選択し医師に告げ、
23日より受け入れ先を探し始めました。

24時間看護有料老人ホームを必死でさがす

介護付き有料老人ホームも胃ろうの方を受け入れられても、普通、液体摂取(ストローで水を飲む)が出来ない人は受け入れてもらえないのが通例です。手間がかかり、リスクも多いからです。

幸いにも私の自宅近くのクリニック併設の「サービス付高齢者向け住宅」さんが快く受け入れてくれることとなり、
すぐに責任者が前橋の病院まで来て下さったのですが「本人面会」の結果良い返事がもらえませんでした。

その後、3月1日、南浦和の24時間看護師常駐の介護付き有料老人ホームさんが
「状況は厳しいがご家族の強い想いを感じ受け入れましょう。」と言って下さったのです。
で、2日に施設長さんの「本人面会」、3日に入居。
なんと、普通は2-4週間かかるところを「わずか三日」でやってしまったのだです。
手前味噌ですが、弊社の「老人ホーム紹介センター」のスタッフの機動力には驚かされました!!
完全脱帽です!!

退院しホームへ

3日に、点滴が約2週間ぶりに外れ、その日以降18日に力尽きるまでずっと口から食べ物(ゼリー食)を摂取。
一日おきには家族が訪問「おなかがすいた」「トイレ行きたい」「桜がみたい」などの会話も出来、
おかゆが食べられるようになれるかな!?との希望も持てそうな感じでしたが、お彼岸に旅立った次第です。

母の終末期体験を経て感じたことを3点

 

◆一か月余り整形外科での入院だったが、後半の二週間は「嚥下障害」が最大の課題にも関わらず嚥下機能の専門医には見てもらえず、整形の先生から経鼻管栄養を進められた。
他の病院の状況はわからないが、専門医と総合医の連繋はなかったように思う。

◆恐らく、90%の人はいきなり経鼻管栄養を進められたら「はい」と答えるのではないだろうか!?
私たちの場合、仕事柄、基礎知識があったので良く考えて先生の提案を受け入れなかった訳です。
90%の方は、経鼻管栄養とその先の胃ろうへ進み、数カ月から数年生き延びられ、
その結果、療養型病院や特養が待機待ち(52万人いる!?と言われている。)となるのだ。この、「終末期医療費、介護費の膨らみ」は早急に改善されるべし、と頭では理解していたが実感できた。詳しく調べた訳ではありませんが、アメリカの多くの州では回復の見込のある若年者は除き、
高齢者に経鼻管栄養や胃ろうを施すことは法律で禁じられているようです。

◆病院とホームでの夕食について。何回か同席しましたが、メニューは同じゼリー食の場合で、
スプーンでスタッフの方が、母の口元へ持っていってくれるのですが、
病院は10-15分で切り上げ、ホームは50-60分かけて下さってました。
どちらも、隣で私が声掛けしている中での対応です。背景と費用と状況が違うので単純比較はすべきではありませんが、
あまりの違いに唖然。ある人から「病院は患者を作り出す!?」と聞いたことがありますが、
その言葉がぴったりと当てはまるケースです。
最後まで読んで頂きありがとうございます。

親の介護は抱えこまずに相談しましょう

私達世代の50歳代、及び下の世代の方々は、今かあるいはこれから多くの人が「親の介護」の事で
同じような場面に出くわすか、と思います。

備えあれば憂いなし、と言いますが、必要性が生じないと取っ付き難いのが介護保険かと思います。
認定は、従来よりも厳しくなっていますが、とても良くできたありがたい仕組みです。
高齢者の利用率は約4分の1。

親の介護でお悩みの同世代の方々、利用できる部分は抱え込まないで大いに利用してください。
もし、わからない点があれば、ご相談していただければと思います。

私は、人として尊厳をもちながら旅立っていけたら、と私自身は思うのです。

ボケちゃうかもしれないけれど!

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