ドゥテルテ大統領の暴言の意図とフィリピン国内熱狂的人気の理由

   2016/10/30


25日、フィリピンのドゥテルテ大統領が来日しました。

在日フィリピン人の集会では熱烈歓迎を受け、会場に入りきれないほどの聴衆が集まったそうです。
フィリピンのドゥテルテ大統領に対する国際社会の風当たりが強まっている中、
在日フィリピン人の熱狂ぶり(もちろん、熱狂的な人ばかりを取材したのかと思いますが)に
人気は本物であると感じましたし、就任前の支持率83パーセントを上回る85パーセントの支持率を持っているそうです。

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この暴言の裏には何があり、この支持率の理由は何なのでしょうか。

熱狂的支持率の理由

強さ

フィリピンの皆さんのインタビューを見ていましたら、圧倒的にフィリピンではドゥテルテ大統領のような強い人を支持するときっています。
ドゥテルテ大統領のような強い人が上に立たないと犯罪はなくならないので、ドゥテルテ大統領の行っている徹底的な
麻薬取り締まりはありがたく、今までの大統領も麻薬取り締まりはやっていたが、麻薬組織からの資金提供を裏から受けたりして
中途半端だったのだそうだが、ドゥテルテ大統領は、徹底的なので、期待が高まっています。

麻薬売人や麻薬常習者が捕まったり、殺されたりしていますが、身の危険を感じた人たち60万人以上が自首してきており、
それだけでもずいぶんクリーンになってきている状況であり、それを国民は目で見て分かっているから信じられるのだそうです。

このまま6年間ドゥテルテ大統領が言っていることをちゃんと実現すれば、フィリピンの治安はよくなり、経済もよくなると信じているのです。

嘘をつかない

今までの大統領は、宣言しても実行しなかったことをドゥテルテ大統領は、徹底的に実行している、今までと違い
嘘をつかない大統領であるとフィリピンの方のインタビューは熱狂的でした。

外に対しても強行態勢で進むということも、フィリピンの麻薬犯罪対策に批判的な米国やEUに対し
「バカども」扱いし、喝采を浴びていますが、ドゥテルテ大統領は国民に対して発言したことっと対外的に発言していることは
同じであり、嘘をつかないということで、フィリピンにおける人気は絶大なのです。

暴言の意図は?

ドゥテルテ大統領の暴言の意図は、深く考えられたものとは考えにくいのですが、本当はどうなのだろうかと
考えました。
暴言は練りに練った戦略ではなく、ドゥテルテ大統領の個人的な資質による部分が大きいのではないでしょうか。

理由は、どうであれ、麻薬売人の取り締まりに成功していることは確実であり、こうして世界中にフィリピンという国を話題提供し
世界の関心を集めることに大成功しているのは事実です。

 

名古屋大学大学院の日下渉准教授のインタビュー

 

フィリピンの政治に詳しい名古屋大学大学院・国際開発研究科の日下渉(くさか・わたる)准教授のインタビューがありましたが、

興味ぶかかったので転記します。

日下氏は、ドゥテルテ大統領の反米的な発言の背後には、米国と組まなくても経済的にやっていけるのではないか、という勝算があると見ている。

日下氏「フィリピンにとって米国との貿易は相対的に減っており、中国、日本、ASEANとの交易が増えています。もともとフィリピンでは、国内の大地主がサトウキビのプランテーション・ビジネスを通じて、砂糖を米国に売り、それによって富と権力を蓄えた人たちが政界を牛耳ってきたわけです。前大統領のアキノ氏もその一味です。ドゥテルテ大統領は、国内政治で、そういう100年以上米国と付き合って富を蓄えてきた既得権益者とも戦っているのです。 ドゥテルテ大統領には、中国との関係を強化することで、フィリピン国内のエリートの経済基盤を変えたいという目論見もあると思います。ドゥテルテ大統領が今月訪中した際に100人もの実業家が同行しました。そのなかには、民主化以降に台頭した華人系の新興実業家も多かったです。彼らも、フィリピンを伝統的に支配してきた財閥とは違う、新しい回路を作ろうとしているのではないかと思います。 南シナ海の権益についての裁判で、ハーグ仲裁裁判所は中国の主張を退け、フィリピンの主張を認める判決を下しました。フィリピンはそれをむしろ武器にして、中国から最大限に利益を引き出したいと考えています。そして、中国と日本をフィリピンへの投資や開発支援で競わせる。おそらく、そのようなシナリオにもっていけば、米国不在でもやっていけるという目論見があるのでしょう。 ただし、こうした相手の弱みにつけこむ瀬戸際戦術は、フィリピン政府が練りに練った政策ではありません。むしろ、ドゥテルテ大統領が天性の本能でやっている面が強いです。閣僚もドゥテルテ大統領の発言について事前に相談を受けていなかったと頭を抱えるケースが多いです。そういうこともあり、大国を手玉に取ろうとする彼の目論見が上手くいくかはわかりません。」

ドゥテルテ大統領が天性の本能でやっている面が強い

上記の日下氏の記事にもありますが、テレビを見ても新聞を読んでも、このリーダーシップと発言はドゥテルテ大統領の資質、
天性の本能で動いているように思います。

フィリピン国内では熱狂的な支持率がありますが、対外的な摩擦を考えると、今後の展開から目が離せません。
しかし、こうして、多くの人の興味と目を惹きつけただけでも、成功と言えるかもしれません。

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